路上観察の楽しみ
首都圏は世界屈指の人間の巣窟で、あるとあらゆる人工物が存在します。ちょっと散歩をすれば奇妙な景観のひとつやふたつ必ずあります。その中で形を残したまま機能を失った建物やその一部に遭遇することがあります。路上観察愛好家は、このような物体を「超芸術トマソン」に分類識別しその無能っぷりに美を見出します。ひとつ例を挙げましょう。
これは看板を読んで頂ければ判るように病院の車寄せ、ある種の門に属するものです。しかし門の奥にあるべき入り口は、窓に改造され門の機能を完全に喪失しています。さらにその窓すら内側は壁になっていて、これもまた機能を完全に喪失しています。此処まで徹底すると看板さえ立派過ぎて強い無用の美を醸し出しています。
これぞ天晴れ天下の大名物、三種複合型(無用門、無用窓、無用看板)トマソンと命名します。私は一路上観察者として今後一日一分一秒でも永く、この完璧に調和した無用の美があり続けることを切に願うのであります。
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